小学生は読み聞かせの時間が大好きです。
一年にそう多くはない読み聞かせの時間。子どもたちの心に残る本を選びたいですね。
今回は、低中高学年に分けて、おすすめの絵本を紹介します。
小学校低学年におすすめの読み聞かせの絵本
絵本に親しみをもってほしい発達段階なので、
喜怒哀楽がはっきりしているものや擬音がおおいものもおすすめです。
だいじょうぶ だいじょうぶ:いとうひろし/(1995年10月発刊)
おじいちゃんと小さな「ぼく」のお話です。
題名の通り「だいじょうぶ だいじょうぶ」という言葉がたくさんでてきます。
不安なとき、寂しいときにかけられたあたたかな言葉によって、「ぼく」が成長していきます。
おじいちゃんの大きな愛とあたたかさが、胸いっぱいにひろがります。
読んだ後は、教室でポカポカ言葉を使おうとする子どもも出てくることでしょう。
やさしさにあふれた一冊です。
ずーっと ずっと だいすきだよ:ハンス ウィルヘルム/(1988年11月発刊)
主人公とペットの犬のお話です。
一時期、某国語の教科書の物語文にも採用されていました。
ペットに限らず、想いを伝えたい相手はたくさんいるものです。
「思いは言葉で言わなくても伝わる」ではなく、「想っているからこそ言葉にしよう」、そんなメッセージも届けてくれる、
愛とやさしさがつまった絵本です。
小学校中学年におすすめの読み聞かせの絵本
すこし長い文章でも理解できるようになっていきます。
やんちゃをする年頃でもあるので、割と冒険ものが人気です。
1つぶのおこめーさんすうのむかしばなし:デミ/(2009年9月発刊)
3年生も4年生も、中学年は算数の最初の授業で『大きな数』を習います。
『億』や『兆』といった非常に大きな数を学んだあとだからこそ、このお話の面白さがわかります。
読み聞かせをする前に、
「お小遣いを1か月もらうとして、毎日1万円もらうのと、1日目は1円、2日目は2円、3日目は4円と増えてもらうのどっちがいい?」
と聞いてみると、さらに楽しくこの本を読めると思います。
倍々計算の面白さと恐ろしさ(笑)が非常によくわかる絵本です。
いつでも会える:菊池まりこ/(1998年11月発刊)
飼い主である「みきちゃん」を突然亡くしてしまった、犬の「シロ」の心を描いたお話です。
もう少し小さくても読めるとは思いますが、低学年より少し心が育っているからこそ読んでほしい絵本です。
ミリオンセラーになったので、知っている方も多いかもしれません。
子どもであっても、家族やペットが死んでしまった経験をしている子はいます。
そんな子は、もしかしたら泣いてしまうかもしれません。
しかし、この本は悲しみだけではなく、大きな愛情も描いています。
少ない言葉と、シンプルな絵で心に訴えかけてくるものがあります。
今一緒にいる人との時間を大切にしようという気持ちもわいてくる一冊です。
かあちゃん取扱説明書:いとうみく/(2013年5月発刊)
題名からして面白そうな気配がただよってきますね。(笑)
その名の通り、主人公が自分の母親の取扱説明書を書くお話です。
はじめのうちは、こうしたら怒られるなど、ネガティブな面での対応をおもしろおかしく書いています。
読んでいるうちに、子どもたちから笑い声が飛び交うことまちがいなしです!
しかし、話が進むにつれて、母親のいろんな面に気づくことになります。
お話の中で父親がいう、「相手をよく見て気づき、付き合っていく」という言葉が、この本をよく表していると思います。
ギャングエイジとも呼ばれるやんちゃ期や反抗期の入り口の子に特に響く絵本だと思います。
小学校高学年におすすめの読み聞かせの絵本
高学年になると、書かれていることだけでなく、その奥まで考えられるようになっていきます。
聞きながら、「なるほど…」「私なら…」と思いを巡らせられる本をおすすめします。
ぼくはいったいどこにいるんだ:ヨシタニ シンスケ/(2023年3月発刊)
自分自身を地図に見立てたお話。
ヨシタニさんは、これまでの絵本でも「あーだこーだ」言いながら考えていますが、
それにもれず、今回も頭の中が、絶賛ぐるぐるもやもや回転中です。笑
後半にでてくる『気持ちの地図』は、思春期/反抗期を迎える子どもたちにも有効な手かな?などと感じました。
せかいいちうつくしいぼくの村:小林豊/(1995年12月発刊)
序盤から後半まで、美しい景色と街並み、そこにいる人の営みも本当にあたたかく感じられます。
本をよく読んでいる大人は、なんとなくオチが想像できますが、子どもたちには最後のページのインパクトはとても大きいです。
この記事をかいている2023年3月現在も、国同士で戦争が続いています。
最後のページを読むと教室が静まり返りますが、子どもたちに『戦争とは』というものを問いかけ、考えさせられる終末です。
悲惨、凄惨な描写はなくとも、心に残る絵本です。
読み聞かせでなく、道徳などの授業でも生かせると思います。
そらのうえ うみのそこ:長沼毅(監修)/2013年3月発刊
題名の通り、空の上である宇宙(月)から、海の底である深海までを網羅した、非常にスケールの大きいお話です。
わからない言葉も多いですが丁寧に解説されています。
それでも「それ何!?」と思わず聞いてみたくなってしまうような興味をひくものばかり描かれています。
宇宙からどんどん地球にクローズアップしていく進み方ですが、
逆から読んでも全く違和感なく読むことができます。
プチ宇宙(地球)旅行をしているような、壮大で爽快な気分になれる一冊です。
おかあさんはね:エイミークラウス/(2017年5月発刊)
「おかあさんはね・・・」という語り口で始まる、親から子への願いがつまったお話。
大人向けの絵本のようにも描かれていますが、個人的には、卒業を控えた6年生に読んでほしいと思っています。
6年生ぐらいになると、恥ずかしさが上回って、心の会話を面と向かってすることが少なくなります。
節目に際し、お互い「ありがとう」の言葉をきっかけになれる絵本です。
親たちが、教室にいるみんなにこんなことを思っているんだよ、とこの本を通して伝えることができます。
いつもケンカしてばかりの親子にも、きっと心に響きます。
この本をきっかけに、親子の心の触れ合いがはじまるといいな、と私は思っています。
番外:全学年におすすめの読み聞かせの絵本
できるかな?人体おもしろチャレンジ:酒井健雄/(2020年11月発刊)
こちらは読んで聞かせるというより、読みながら体を動かす一風変わったスタイルの本です。
『ひじがアゴにつかない』『〇〇すると薬指が動かない』など、体の衝撃の事実がたくさんあります。
「えぇ!」という子どもの驚きの声が教室中に広がります!
時間的にすべてを紹介するのは難しいですが、体のフシギにも気づける面白楽しい絵本です。
読み聞かせは、子どもの読書の幅をひろげてくれる素敵な時間です。
いろんなジャンルの本を読んであげて、子どもたちの心を育てていきましょう。
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