教員採用試験合格おめでとうございます!
新卒新採となる方も、講師や社会人経験の方もいるかと思いますが、
4月から晴れて『先生1年生』です。
自治体により異なりますが、発表日は10月前後です。
着任までの5カ月の間に、やっておくとプラスになることを紹介します。
1.字や言葉を整えよう
一つ目は『字』です。一口に字の練習と言っても、気にかけたいポイントはつあります。
① 書き順
小学生なら『ひらがな』→『カタカナ』→『漢字』の順に全て教えます。
例えば、ひらがなの『も』、漢字の『馬』の一画目はどこか分かりますか?
さて、正解していたでしょうか。
「教えるときに答えをみながらやれば…」という声もあるかもしれませんが、
普段の授業で漢字を書いたときに、
「せんせい、それ書き順ちがうよ~」と言われてしまいます。
1度や2度ならまだしも、何度もそのような場面が続いてしまうと、生徒が教わる時に説得感がありません。
書き順は絶対のものではありませんが、美しく書くために培われてきた様式です。
教える側の立場にある自覚をもって、自分の書いてきた文字が正しい書き順か確認しておきましょう。
② 字形
字形とは『見た目の字』です。
たまに、教科書のフォントのような美しい字を書く先生がいますが、見やすい字、見にくい字というものは、はっきりでる差になります。
よく先生たちが、『上手な字じゃなくても丁寧に書こう』と子どもたちに呼びかけますが、
これは教員にも同じことが言えます。
まずは丁寧に書く習慣を付けます。それが子どもたちに示す姿勢となります。
また、慣れない黒板に手間取ることも多いと思いますが、
黒板用の字の書き方を示す本も売っているので、参考にしてみてください。
③ 言葉遣い
話し言葉は、書き言葉よりもくだけているので、日本語がおろそかになりがちです。
考えたり、直したりすることができる文章と違って、話した言葉は出したっきりになります。
また。教員は民間の会社と違って、電話対応の仕方などは一切教わりません。
自分がいかに常識と節度ある対応ができるかにかかっています。
保護者の価値観も様々であり、
『先生なら〇〇であってほしい』という要望はたくさんあります。
その程度もばらつきはありますが、
「ヤバい」「全然いい」「~ますでしょうか」
などの言葉を使っていると
『今度の担任の先生大丈夫?』と思われてしまいかねません。
そんな細かいこと、と思うかもしれませんが、気にする方は気にします。
逆に、小さなことでもしっかりしている言葉遣いを認めてくれる方もいます。
プラスポイントを稼ぐためにも、普段からの言葉遣いには気を付けましょう。
2.(1)ワード・エクセルのスキルを磨こう
右も左も分からない新規採用者ですが、
中堅、ベテラン教員から期待されるスキルがパソコンです。
『若いからパソコンには強いはず』という勝手な考えを抱いています(笑)
① word
使えて当たり前だろうと思うワードですが、
ベテラン教員からするとそうではありません。
40代後半~の世代の先生は、『一太郎』という文章作成ソフトを使っている方が多かったのです。
逆に若者は知らないソフトかもしれません。
日本語メインのソフトであったため、柔軟性はワードよりも上でした。
文章だけなら良いのですが、ワークシートや学年だよりといった
イラストや写真をいれる作業が苦手な人は一定数います。
例えばですが、
「画像を自由な場所に動かしたいけれど、文章の隣か下にしかいけない」
という相談を受けて、貴方はすぐに解決方法を答えられますか?
答えは何パターンもありますが、
簡単な解決としては画像をクリックして、レイアウトオプションを開き、
『前面』や『背面』を選ぶことです。
ちっちゃなトラブルではありますが、
すぐに解決してくれると、その人の作業時間を減らすことができます。
ほかにも差し込み文章のやり方は覚えておいて損はないでしょう。
② Excel
ワードよりも難しいですが、技能を磨くと作業時間を大幅に効率化させることができます。
ただ、絶対に必要というスキルというわけではありません
表計算で使う業務として思い浮かぶのは『テスト集計』『成績処理』だと思います。
絶対必要ではないといったのは、学校には『校務支援システム』というものがあるからです。
ほぼどの自治体にも導入されているもので、
成績等はそのソフトに打ち込むことによって成績表(通知表)が作成されるからです。
ただし、使い勝手がすこぶる良いというわけではないので、
自作のエクセルや紙媒体で成績を記録している人もいます。
また、校務支援システムはエクセルと連携できるものも多いので、
使いやすいエクセルシートを作ることができると非常にありがたがられます。
小学校教員
小学校教員の場合は、テストを外注で頼むことが多いので、
そのテスト作成会社からデータCDが送られてきて、
そこに数字を打ち込んでいくと成績が仕上がるというのもあります。
ただこれについても、全教科同じテスト会社を頼むわけではないため、
全てを丸投げでお任せできるソフトとはいえません。
教科別のシートを作り、観点別の合計点やと得点率などを計算できるシートを
作れるようになっておくと、役に立つ場合があります。
また、図工や理科などで賞状を作る時に、
エクセルとワードをつなげて、差し込み文章を利用することがあります。
すでにファイルとして作られている場合が多いですが、
使い方は今のうちに覚えておいた方が良いでしょう。
中学校教員
中学校では、自前のテストによって評価するところが多いと思います。
そのため、小学校にあるような外注のデータCDはなく、自分でデータを集計する必要があります。
各定期テストごとの観点別の得点欄、合計点、平均点、B評価の基準点などのデータ操作が必要です。
また、学期ごとのテスト点や提出物の状況をまとめたソフトもあると便利です。
配属された学校にそのようなソフトがあれば良いですが、
なかった時のために、基本的な関数は覚えておいた方が良いでしょう。
とはいっても、学校でつかう関数はそこまで多くありません。
SUM,AVERAGE、COUNTIFS、VLOOKUP関数あたりです。
さっと使えるだけで、作業効率がグンと上がりますので、是非勉強してみてください。
2.(2)必見!パソコン事務時短ツール
小中学校の先生で共通して覚えておきたいのが
『辞書登録』です。
若手は担任を任されることがほとんどです。
子どもの名前を打ち込むことが多いですが、名前は一発変換が難しいです。
また、苗字でも『斎藤』『齊藤』『斉藤』などは間違えやすいです。
保護者向けに作るお便りなどで、名前を間違えるのはいけません。
そんなミスをなくすために、辞書登録機能を活用します。
どのようなものかというと、
例えば、『山田太郎』という子どもがクラスにいた場合、
『やまだ』と打って変換すると、即座に『山田太郎』が出てくるようになります。
それではやり方を教えます。
パソコン画面右下に、『あ』『A』などの表記がされているところがあると思います。
そこを右クリックして『ユーザー辞書ツール』
もしくは『設定』→学習と辞書⇒ユーザー辞書ツール を開きます。
すると、以下のような画面が出てきます。
そこで、単語の欄に出力したい子どもの名前
よみの欄に、子どもの苗字のひらがな を打ち込みます。
あとは登録ボタンを押すだけです。
一人あたりの手間は少ないですが、クラス全員や学年全員はしんどいと思います。
そこで、100人でも200人でも1分で登録できる時短ツールを有料配布しておりますので、
よろしければご覧ください。
3.文房具を数セットそろえよう!
文房具セットとは鉛筆や消しゴムだけではありません。
小学校なら定規やコンパスなども含まれます。
『忘れ物をした時もどうするか考えるのは勉強』という考えもありますが、
その理屈は通じる子とそうでない子がいます。
それは、個性だけでなく背景にある家庭環境にも左右されるからです。
いつまでたっても用意してくれない親御さんは残念ながら存在します。
忘れた子を放っておくと、いつまでたっても学習が進まないので、
何セットか持っておくのは必須だと言えます。
中学校では、担当教科によっては、鉛筆だけで良いということもあると思います。
では、何も用意しておき必要がないかというと、そうではありません。
例えば、中学では、はさみやカッターを持ってこさせない学校があります。
良からぬ使い方をすることを防止するためです。
もしそうであったときは、ハサミを最低班の数用意する必要があります。
他にもポスカなどの太いマジックは持っておいて損はありません。
小さい子は四角いペン先のマジックは使いにくいため、
丸芯タイプのものをオススメします。
また1つあれば十分ですが、50枚くらいいっぺんに開けられる2穴パンチもあると便利です。
4月になったら買えばと思うかもしれませんが、
4月上旬は、学校が一番バタバタする時期です。
帰りが遅くて店が閉まっているなんてことも珍しくありません。
余分にあっても困るものではないので、準備しておきましょう。
(学校によっては、消耗品は市費や学年費から出される場合もありますが、
満足な量買えるかは分かりません。)
4.『おおっ!』となる何かを身に着けよう
正規採用となり、初担任となる可能性も高いです。
子ども達は次の先生はどんな人か、ワクワクドキドキしています。
最初の出会いである初日で、淡白な自己紹介と事務連絡だけではもったいないです。
子どもたちに『わたしはこんな人』と印象付けられるものを用意しておきましょう。
どんなものがあるかというと…
- 海が好き⇒スキューバダイビングをやっているときの写真を見せる
- 体力に自信⇒三十跳びを披露
- 理科が好き⇒実験の生実演
- 字が上手い⇒教師用の水書で一筆!
- 絵が得意⇒黒板でお題をもらってお絵描き
- ピアノが得意⇒生演奏
などが挙げられます。
子どもたちへの印象もそうですが、
初日は必ずと言っていいほど、親御さんが今度の先生がどんな人か子どもに聞いています。
そこで、子どもからプラスの印象の言葉があるだけで、
保護者との関係のスタートが大分違います。
些細なことで構わないので、自分の強みを生かして子どもに「おおっ!」と思われる
出会いの形を探してみてください。
5.学区を周遊しよう
3月には配属校が分かります。
遠いなら車で、近い所なら、徒歩や自転車でグルグル学区を周ってみましょう。
最近は家庭訪問も少なくなりましたが、学区の特徴を知ることは大切です。
小学校なら地域学習があります。
生活科で行けそうな公園、社会科で使う学校を基準とした東西南北の街の特徴など、
知り得る情報はたくさんあります。
中学校は学区が広いですが、主には商業施設やスポーツ施設、娯楽施設などがあるか
調べておくと良いかもしれません。
主に使うのは部活動か生徒指導関係になるかと思います。
また、3月中に行くと顔が全く割れていないので、
外からですが、学校の様子をみることができます。
体育をやっている姿や、休み時間遊んでいる様子、部活動に励んでいる様子が伺えるはずです。
どの子を担当するか分かりませんが、不思議と少し愛着も湧いてきます。
モチベーションを上げるためにも学校は覗いてみても良いと思います。
まとめ
4月が始まって数日間は子どもがいませんが
それでもあわただしい毎日の連続です。
特に、新卒新採であり、先日まで大学生だった方は、慣れない環境に戸惑うことと思います。
しかし、大学生という時間があるときだからこそ、時間をかけた実のある準備もできるのです。
常勤講師の方は、もうこんな内容知っているというものだったかもしれません。
しかし、子ども達にとっては『新しい先生』に違いはありません。
子ども達の笑顔のために、無理のない範囲でできることはどんどん取り入れていきましょう!