一日の流れ
1.始業前 ~8:00
多くの小中学校は8時あたりを始業時間としています。
少し前までは全国的に、小学校は朝運動、中学校は部活の朝練習などで、
7時ぐらいから活動を始めていました。
しかし、働き方改革やコロナ感染予防などの影響で
これらの活動をする学校は減ってきています。
それに伴い、先生の出勤時間も遅くなってきています。
ただ30分前くらいに来る先生が一番ボリューム層であり、
始業ギリギリに来るのは、小さなお子さんがいるパパママ先生か一部の級外の先生ぐらいです。
このサイトを見ているのは大学生~若手の先生だと思うのですが、
30分前ぐらいを目途に出勤するのが無難です。
もちろん、ギリギリでも悪いわけではありません。
2.朝の会(ショートホームルーム) 8:00~8:30
子どもが集まった後は、朝の会やショートホームルームが開かれるのが一般的です。
歌や係のお知らせなどをするクラス、学校もありますが、
教師の立場から見た必須事項は出席確認と健康観察です。
学校に来ていないのに連絡が無い場合は、担任が家に電話をしたり、級外の先生に確認をお願いしたりします。
健康観察は、生徒が「調子の悪い人いますか~?」とほほえましく聞いてくれるクラスもありますが、
きちんと教師の目で、一人一人の顔色が悪くないか確認しましょう。
普段の様子が分かってくるぐらい慣れてくると、調子の悪そうな子を見抜けるようになっていきます。
3.午前中の授業 8:30~12:20頃
小学校は45分、中学校は50分が、1授業の単位になります。
意外に知られていないことですが、休み時間の長さは学校ごと設定できます。
そのため、授業後の休み時間が5分~15分と幅が出ます。
短めに設定している学校は、昼休みが長くしているところや午前中にも長休みを設けるところがあります。
休み時間は子どもの休み時間であり、教師の休み時間ではありません。
休み時間はトラブルの宝庫です。
宿題チェックやトイレに行きたいところですが、
トラブル処理で休み時間が連続で消えてしまうことも多いです。
授業で気を付けたいのが『時間』です。
子ども達のモチベーションに影響するだけでなく、次の授業までの時間が削られると、
トイレに行けなかったり、移動教室があると間に合わなくなったりします。
小学校の先生で、担任が続けて行うなら融通をきかせても良いですが、
専科の先生に任せる場合は迷惑が掛かってしまいます。
中学校は基本専科なので、なおさら授業時間には気を付けましょう。
わたしの経験上ですが、中学校の先生の方が時間に厳しい方が多いです(当たり前かもしれませんが)。
4.給食指導 12:20~13:00
子ども達からすると『給食の時間』ですが、
教師からすると、指導の時間です。いわゆる食育です。
まず、食缶やワゴンを持ってくることや子どもの衛生管理をしっかりできているか確認する仕事があります。
コロナ禍で一番ピリついていた時期は、完全な黙食指導だったので大変でした。 汗
嫌いな食べ物をどうするかは、担任の采配が大きいです。
私、『一口は食べる』というのを最低の目標として、後は残させるようにしています。
また、『苦手そうなものは少なく配膳してもらう』などの工夫を促せると良いでしょう。
小学校にありがちなのは、時間内に食べられない子が出てくることです。
『もぐもぐタイム』など、黙って食べる時間を作る工夫をして時間内に食べ終わることも意識させましょう。
5.昼休み 13:00~13:30
給食の後は昼休みを設定している学校がほとんどです。
学校によりますが、この時間を正式に教師の『休憩時間』としているところもあります。
その場合、コンビニ行こうがたばこを吸いに行こうが勝手なわけですが、
そんなことをする先生は見たことがありません。
教室で話をしたり、運動場で一緒に汗を流したりする先生ばかりです。
本当は外出できるということを知らない先生もいるぐらいです。
しかし、たくさんの先生が不在の中トラブルが起こると、監督不届きと扱われるのが現実なので、
知っていようがいまいが、結局は子どもたちと過ごす時間と考えて相違ありません。
また、学校によっては昼休みの時間を清掃に充てるところもあります。
6.午後の授業 13:30~15:20
授業が5時間の日と6時間の日で異なりますが、
6時間目がある日でも15:30は超えないと思います。
その理由としては1時間くらいかけて登下校する子どももいるため、
あまり遅い終業にしてしまうと、冬は真っ暗になってしまうからです。
余談ですが、小1の5時間目、小3の6時間目は、耐えられずに寝てしまう子も。
小学生は頑張って起きようとしてるのに寝てしまう子がいるのでかわいいです。
中学生は常時本気で寝にかかっている人が一定数います。。。
7.帰りの会(ショートホームルーム) 15:20~15:30
帰りの仕度や明日の連絡などを伝えます。
配布物などもこの時間を使って配ることが多いです。
8.(1)15:30~小学校
子どもたちが帰った後は何をしていると思いますか?
曜日によって違いますが、大きくはこのように分けられます。
職員会議
4月以外は月に一度開かれます。
全員参加で、来月の行事の確認や企画された提案について意見を述べ合います。
また、生徒指導担当から、生徒指導上、共有したほうが良い事を全体に知らされます。
4月初旬の数日間は、ほとんど職員会議に費やされます。
学校ごとに文化が違うので、初任ではなく異動の先生も真剣に聞いています。
逆に在任の先生は、話し半分ぐらいしか聞いていません。 苦笑
終礼
週に一度のペースで開く学校が多いです。
基本的には、来週の『お知らせ』や伝達事項のみです。
企画検討は職員会議で行われるので、終礼で30分以上かかることは少ないです。
部会
詳しくは、校務分掌のページで紹介していますが、
『特別活動』『生徒指導』『研修』など、学校全体に関わる校務については、
各学年の先生に上記の担当が振り分けられ、担当ごとに集まります。
部会は『特別活動主任』『生徒指導主任』などの校務分掌に就いている先生が主導し、
来月までの行事や授業について話し合います。
話し合いで決まったことを職員会議に上げ、
決まらない場合は学年部に下ろして、意見の吸い上げを行います。
この部会も月に一度程度の開催です。
部会というと、上記のことを指し場合がほとんどですが、
たまに『教科部会』といって、国語担当、算数/数学担当教師が集まるものもあります。
小中共通事項としては、副教材の選定や備品の確認をします。
学年部会
学年部でする会議です。
これも週に1度のペースで開かれます。
小学校では担任の裁量が大きいので、授業の進捗状況の足並みがそろっているか確認します。
また、行事に向けての役割分担や進捗報告をする場でもあります。
クラス内、クラス間での子どものトラブルも共有します。
学級事務・学年事務
会議が無い日の時間の使い方です。
学年事務は、学年行事の下地作りをします。
台本、掲示物作成や消耗品購入などがこれにあたります。
学級事務は、クラスのことです。
一番大事な気もしますが、作業の優先順位は
学校全体⇒学年⇒クラス となるので、
実際一番後回しにされることがほとんどです。
教室整備、教材研究などがこれにあたります。
世の中の先生が「授業にかける時間がない」と言われるのも
ここまで見ていただけた方は分かるかと思います。
ほかにやることが多すぎるのだもの。
8.(2)15:30~中学校(小学校と同じものは除く)
中学校にのみあるものを紹介します。
部活
中学校の先生は、授業の業務で一番割かれるのは部活動指導です。
ちなみに、部活動の顧問は、学生時代によほどの成績を残していない限り、
異動によって空いた先生がもっていた部活動を持たされることがほとんどです。
また、上級審判のライセンスをもっていたりすると、そのスポーツの顧問になりやすいです。
ただ、若手に選択権は微塵もないので、どの若手もルールブックを片手に教えている人が多いです。
昨今、部活動指導員の導入が騒がれていますが、予算も人も足りておらず、まだまだ教員が担う役となっています。
進路指導部会
三年生の先生と進路指導主任の先生が集まって行われる会議です。
現時点の進路希望を生徒にとり、各担任がとりまとめたものを説明していきます。
秋冬と、受験が近づくと開催頻度が高くなり、
最後の進路指導部会は、教頭や校長も参加し、
生徒の内申点や学力調査の点数、部活動の成績などを見て、
志望校通りに進めるのか、変更を促すのかを話し合います。
学校の希望によりますが、4クラスぐらいの学校の場合、
2、3時間超えることも珍しくありません。
体育祭練習
これは、学校によって行わないところもあります。
学年種目を体育の授業で扱いますが、それとは別に学級づくりの一環として、
授業後の30分程度を学年練習の時間と割り当てて、二人三脚やムカデ競争の練習をします。
小学校は1ヶ月ほどの時間をかけて練習しますが、
中学校は短く、10日ほどで済ませてしまう傾向があるように思います。
9.16:30~定時後
8時に始業の場合、教員の定時退勤時刻は16:30前後となります。
「早いなぁ~」と思うかもしれませんが、
この時間に帰れる人は、
よほど仕事ができる人か、保育園/学童に子どもを預けているパパママ先生だけです。
しかもパパママ先生の場合は、早く帰らざるを得ないというだけで、
仕事が終わっているわけではないので、書類や校務パソコンを持ち帰って、
家で仕事をしていることになります。
(校務パソコンは情報セキュリティがしっかりしているので持ち帰れるところがあります。)
また、中学校の先生は、中体連前は17時過ぎても部活動を行っているところがほとんどです。
中学生が練習している最中に帰れるはずもありません。
そのため、1日『7時間45分』が基本の終業時間ですが、
2022年9月に連合総研が小中学校教員から得たアンケートによると、
平均12時間7分と、4時間以上オーバーしての残業状態です。(持ち帰り仕事を含む)
というより、12時間越えというのは、一日の半分以上が仕事に費やされているということであり、
世の中の先生がどれほど忙しいかが伺えます。
まとめ
いかがでしょうか。
大学生の方からすると意外な業務はあったでしょうか?
銀行員さんのように、見えているときと見えていないときの業務の違いに驚く人もいるかもしれません。
また、若手現職の方で、「うちの学校にはない」ということもあったかもしれませんが、
学校によって、一日の運びが少しずつ違うので、こんな学校もあると思ってください。
どこに行っても業務はそこまで大差ないので、
時短できる術を身に着けて、力を入れたい業務に集中したり、アフター5に遊びに行けるといいですね。
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