教員のリスキリング
リスキリングという言葉が最近聞かれるようになってきました。
リスキリングとは、職務遂行に必要なスキル習得・向上のための学び直しを指し、アップスキリングともいいます。
他の職種と同じように、教員にも学び直しの機会はあってしかるべきです。
今回は、教員が学び直しをする方法、身に着けたい資格やスキルについて説明します。
身に着けたい資格・スキル
教員生活の中で身に着けると役立つ資格やスキルを紹介します。
子供心理カウンセラー・チャイルド心理カウンセラー
昨今、家庭環境や学校での交友関係、学業への不安などにより、不登校や投稿渋滞の子が増えています。
また、そうでなくても悩みを抱えている子はたくさんいます。
子どもの心に寄り添うことが求められていますが、どのように近づくべきなのかを子供心理学の観点から考えられるようになります。
非常に似ているこの2つの資格の名前ですが、実はそれぞれ別の資格になります。
〇子供心理カウンセラー
日本インストラクター技術協会(JIA)による資格。
子どもの心の発達や成長、家族との関係、社会との関係など、
子どもの人格や性格の形成にかかわる知識を有し、
適切なアドバイスやカウンセリングを行うための知識を有したことを証明する資格。
お腹の中の赤ちゃんから乳児期、幼児期、学童期、思春期など、
成長に応じた親や周囲との子どもとの関りとその関りが与える影響、
子どもが見せるしぐさから見る心理、子どもの悩みや問題への接し方など、
子どもの成長と発達の段階に合わせて適切なアドバイスや助言ができる。
〇チャイルド心理カウンセラー
日本メディカル心理カウンセラー協会による資格。
胎児期から乳児、幼児、学童、思春期までの子どもの心理や発達を十分に理解し、
また、悩みや問題に対してカウンセリングをおこなう技能を身につけるもの。
小学校低学年から高学年、中学校にかけての発達と心理、子どもが喧嘩をする原因、
学校と子ども、ギャングエイジや反抗期などの接し方など、子どもの心理に関して知識を有し、
かつカウンセリングを行うカウンセラーとして活動できる
(両ホームページより文章を引用しています)
少しややこしい名称に加えて混乱するのが、この資格の名称と同名の職業があることです。
この二つの資格に大きな違いは感じられませんが、
子供心理カウンセラーは子どもの人格形成に重きを置き、
チャイルド心理カウンセラーは、悩み解決に重きを置いているようです。
どちらも大切な要素であり、子どもの心身の健やかな成長には欠かせません。
子どもへの情熱だけでは解決できないことも多々あります。
適切なアプローチやカウンセリングマインドを養うという意味でも、受講の価値はあるでしょう。
子供心理カウンセラーの資格の詳細はコチラ
チャイルド心理カウンセラーの資格の詳細はコチラ
ペン習字
民間企業では、デジタル化、DXなどが進み、アナログ媒体はほとんど見られなくなっています。
しかし、学校業界では、アナログは切り離せません。
GIGAスクール構想があるとはいえ、文字の読み書きは手で行うものであり、
すべてをプロジェクタに映して授業というわけにもいかないからです。
黒板の字、連絡帳への対応など、教員にとって手書きで書く機会は山のようにあります。
子どもたちに字を教える立場としても、ある程度、字は整えたいものです。
正しい字形を知っているだけでも、読みやすい字になります。
長い教員生活、早いうちに美しい字を書く力を身に着けましょう。
英会話
2020年度より、小学校3年生から『外国語活動』、5年生からは英語の授業がはじまりました。
ALTのネイティブスピーカーがともに授業をしてくれる学校も多いですが、
毎授業いてくれるわけではありません。
自分一人で授業をするときに、なるべく正しい発音ができたら良いですね。
教員自身が何度も耳にして、繰り返し発話しないとなかなか身につかないものです。
今では教室に足を運ばなくても、スマホやパソコンを用いたオンライン授業を行っているところが多いです。
大手を挙げると、リクルートやECC、NOVAなどもオンラインを活用しています。
特にリクルートの『スタディEnglish』は、オンライン英会話だけでなく、
動画説明やイディオムなどの英文法も同時に学べるので、忙しい日のスキマ時間の数分から学ぶことができます。
しかも、ビジネス英語コースを申し込むと、日常会話コースも学び放題になりお得です!
7日間は無料で使えるので、気になる方は無料期間だけ使ってみてもよいと思います。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
ざっくりいうとワードやエクセル等の知識・技能を証明する資格のことです。
学校教員に限らず、どの職種についてもパソコンスキルは欠かせません。
実際に資格を取るかは別として、知っていれば業務の効率アップにつながる知識もあると思います。
MOSに対応した書籍もたくさんありますので、独学でも十分身に着けることのできるスキルだと思います。
ちなみに、MOSには2種類あり、一般的には『スペシャリスト』を指しますが、
その上のレベルに『エキスパート』というものもありますので、自信がある方は腕試ししてもよいと思います。
秘書検定
秘書検定とは、敬語の使い方や電話対応のあり方、一般常識が問われるものです。
資格として取得するかは別として、教員は採用された直後に、ろくな研修も積まずに保護者対応や外部対応を求められます。
その時に、学生時代から続いている自己流では、正しい応接なのかがわからないこともあるでしょう。
授業は子ども相手なのでくだけた言葉を使えても、大人相手では恥ずかしい思いをすることもあるかもしれません。
秘書検定は1級から3級までありますが、2級までは筆記試験のみなので、受験するハードルは低いといえます。
準一級からは、筆記に加えて面接も必要となっていきます。
参考書を買って読むだけでも、自分の保護者対応や外部対応での言葉遣いがあっていたかなどもわかるので、
一冊手元に置いておいてもよいと思います。
まとめ
いかがでしょうか。
教員をやることそのものにプラスの資格は不要でも、
教員生活を助ける資格・スキルはたくさんあります。
技能は一生もの。どうせやるなら早いうちに身につけておきたいですね。